げらげら

ノンフィクションとは限りません。

2022-01-01から1年間の記事一覧

じぶんごと

自分がかわいくて笑って、自分がかわいそうで泣いて、なんて小さくてくだらないのだろう。

零す

誰にも嫌われたくないというのは、まったく自分の抽象、自己の忘却なのだろう。誰にでも受け入れられる事実を口にしたところで、それは周知のトートロジーを繰り返しているにすぎず、つまり何も言っていないのと同じだ。そこに自我はない。 分かっているのに…

真っ暗の部屋に、人がうずくまっていた。脚を山折りし、両の拳を合わせ、顔を伏せていた。 亡霊かと思った。それでも湛えられた静寂に、白い幽光をみるみると発していた。 確かに見たのだ。それが嬉しかった。

分かりやすい「分かる」だけを拾うだけでは、うすっぺらな関係で留まるだけだと分かっていた。「分からない」ことを認めた先で本当に分かり合えるのか不安でたまらなくて、遠慮と畏怖に口をつぐんでいた。 分かり合うことが友達であるための必要条件でないこ…

ラプンツェル

いくつ言葉を重ねたとしても、何にもならずに消えていくのだろうと感付いていた。分かっていながら、それでもゼロは選べなかった。 春を待つ胸が苦しいのだ。

ビーカー

ビーカーの口を優しくなぞって、自分の指を確かめていた。

選り好み

嫌いな言葉は取りのけて、食べられる言葉だけを食べていた。

火葬

でまかせの言葉を燃やしたあとの灰で描いたような心象がくすぶっている。

止まれ

期待しすぎない、求めすぎない、ろくなことにならない。

凹凸

凹と凸を合わせて四角を作り、接合面で真っ二つに切れば、出っ張りがことんと落ちて、ああもう合わなくなったのだ。

スノッブなんてくそくらえ

生まれていた「お前誰だよ」が生傷のように痛々しくて、そう言われたくなくて何も言わなかった。何者でもない人間が何かを評価したところで、からっぽなだけ。じゃあいつか何かを語る自分は、それだけ自分を認めてるってことになって、ならそのいつかはずっ…

sank

言いたいことはたくさんあるのに、それが倫理に照らしてどうなのかとか、それらすべては互いに矛盾しないかとか、そういったことを点検するために、喉元の言葉を口に出す前に、アルキメデスよろしく社会性の水槽に沈めてみているから、言いたいけども言えな…

アンガーマネジメント

怒らないことと怒れないことは違う。前者は無関心と諦念で、後者は怯えと保留だからだ。

大丈夫

訳も分からないで不安を覚えて、ただ根拠のない「大丈夫」という言葉を渇望していた。

花冷え

車窓から花冷えの空を眺めていた。その薄青がまるで、グラスに注がれた冷水のように映えて、ならば私はいま水の中にいるのだ。

無題

言葉の暴力と肉体の暴力があって、どちらも許されてはならないことなのだから、実際に起こって後者がより喚かれるなんておかしい。

積木

ぐらぐらの心に、大切の積木を重ねていくと、いつ崩れてもおかしくないという恐れから、その美しさの傍らに脆さが飛び出ていて、ゆえに視界は淡く儚くなり、次の積木を持つ手は震え、もういい、どうかこのまま、と祈ることしかできず、ただ立ち尽くすばかり…

エゴ

悲しいことに、伝わらないのなら自己満足でしかない。

泣かないで

「泣かないで、泣かないで、泣かないで!泣かないで、泣かないで?泣かないで、泣かないで、泣かないで。泣かないで?泣かないで、泣かないで…泣かないで、泣かないで」 思わず笑ってしまった。なんで君も泣くの。

awkward

大切なものが増えていくと、その分だけ、自分の心が表面化されている気がしている。最初は得体の知れなかった心という領域が、大切なものが分かるにつれて埋まっていく感覚がする。逆に、大切なものを失うにつれて空いていく感覚もする。 厄介なのは、得て失…

当然

「当然」「自明」「当たり前」とかいう主観を押しつけるのはやめて。 主観でないというなら説明してみせて。

「いかないで」 二人を隔てるテーブルにグラスは一つ。注がれた水が採光を反射して、きらきらと輝いている。なるほど生きている。 「ごめん」 そうして彼だけ行った。残された彼女はただひたすらに涙に暮れて、それでも、グラスを一気に呷った。 それでも、…

原罪

人を見下すことで自己を保つ試みは、人間らしいと言えば腥く、それ自体なまめかしいものの、やはり醜くて、愚かで、飽き飽きする。分かった気になっているのはどちら様? ただ、口惜しいのは、この言明もそうだということだ。

別れ

いなくなるなら与えないで、と切に願う一方で、いつかは皆いなくなるのだから、それが叶えば私は何も得ることができないな、とも思う。得るということは、それとの別れを受容するということなのだ。

紋切り型

愛に飢えるだけが人の魅力だと思いたくないから、適当に選んだ小説のどれもに、愛を分かつ場面が描写されているのを見るたび、ああまたか、とうんざりする。

馬鹿馬鹿しい

世の中のすべて、馬鹿馬鹿しいと思うことがある。そう思うこと自体も馬鹿馬鹿しくて、だから始末に負えない。

両手の分だけ

何かを選ぶということが、何かを棄てるということならば、私は何を抱えていくのだろうか。

決心したと思っていながら、心に不安が張り詰めていて、ここ最近は苦しい。不安だけを帯びながら、その理由が判然としないのだから、心というのはやりきれないと、つくづく思う。 言ってしまえば「新しい環境への不安」で、そう表すと少しだけ気が楽になるの…

ブログ変えました

ずっと変えよう変えようと思っていたけど、良い機会に恵まれたから重い腰を上げました。これからもよろしくお願いいたします。スッキリした。