げらげら

ノンフィクションとは限りません。

「いかないで」

二人を隔てるテーブルにグラスは一つ。注がれた水が採光を反射して、きらきらと輝いている。なるほど生きている。

「ごめん」

そうして彼だけ行った。残された彼女はただひたすらに涙に暮れて、それでも、グラスを一気に呷った。

それでも、生きなければならない。