げらげら

ノンフィクションとは限りません。

分かりやすい「分かる」だけを拾うだけでは、うすっぺらな関係で留まるだけだと分かっていた。「分からない」ことを認めた先で本当に分かり合えるのか不安でたまらなくて、遠慮と畏怖に口をつぐんでいた。

分かり合うことが友達であるための必要条件でないことも分かっていた。それでも、生じた齟齬を、たくさん拾った間に合わせの「分かる」で埋めて、とりあえず全体を「分かる」で保つことで、ずれた根元を見なかったことにした。勝手に怖がっていたのだ。

自分の吐いた、質量のない、分かったようなメタファーがうたかたのように浮かんでいた。どれもジャンクに見えた。

ああ零れていく。きっとまた取り零すのだろう。うっすらと多くを知ったまま、それでも何もできないまま、うすっぺらな人間のまま。