げらげら

ノンフィクションとは限りません。

深夜

あれ、またこんな時間まで起きてしまっている、ということが増えた。

そんな時間まで起きてなにをしているの、といわれると、自分でもよくわかっていないから困ってしまう。椅子に座って雑務をしていると、足に冷えを感じて、おや、と思う。それで時計を見てみると、これまでだったら眠気をこらえていなければ届かなかったような、深くて寒い夜の底へ沈んでしまっている。

あわてて寝床に入り、おぼろな記憶をたぐり寄せ、この夜、こんなに時間をかけて何をしたのだったかを思い出そうとする。この不始末に納得のいく説明をつけたいのだ。しかし、これといって決定的に何かをした、という気も起こらず、しかしこれでは平仄が合わないので不思議も不思議、いや何かあったはずと記憶をひっくり返していると、だんだんと記憶をつかめない感じがして、すっかり寝落ちてしまっている。

この夜の急落に、立ち止まれない苦しさを見るのだ。このまま時に急き立てられ、時間を味わう時間を、じわりじわりと奪われていくのだとしたら、これ以上先を急ぎたくない私は、いったいどうしたらいいのだろう。