げらげら

ノンフィクションとは限りません。

短すぎた7分

7分で発表をした。問題は、その発表をするのに、7分という時間が短すぎる、ということだった。周りのひとは口をそろえて「7分は短すぎる」と言っていた。客観的事実としても、7分は確かに短かった。

だから、制限時間に間に合わせるための早口と、正しい内容をぎちぎちに詰め込んだスライドで、聴衆を置き去りにした。「7分で伝えきれるはずがない」と決めてかかった。仕方のないことなのだと思っていた。

そして発表、その後の、静寂。伝わっていないということが、ひどく伝わってきた。

はたして本当に、「仕方のないこと」だったのだろうか。

与えられた7分は確かに短かったけれど、聴衆を置いていったことの贖宥にはならないのではないだろうか。例え制限時間がわずか1分であったとしても、「1分のベスト」を考え尽くすのが、聴衆に対する最低限の礼儀だったのではなかろうか?

私はきっと、7分で説明しなかったのではない。7分で説明できなかったのだ。