げらげら

ノンフィクションとは限りません。

水葬

言葉にしないと伝わらないらしいから、しまっておいた気持ちをひっぱり出した。けれど、言葉にして伝えたくないことまで伝わるんじゃないかって思ったら、やっぱり言葉にしたくなくなって、またしまった。

それを幾度も繰り返したから、言葉になれない気持ちでいっぱいになった。いつまでも全部を抱えてはいられないから、そのいくつかを、仕方なく忘却の海へと流した。

どこまでも白い海の奥へ奥へ、いつか抱えた気持ちはゆっくりと流されていく。だんだんと小さく、黒い点になっていく。

さよなら、ごめんね。